行政書士試験において民法は大きな得点源となる科目です。
特に条文や判例を理解するうえで、基礎となる「単語の意味」を正しく押さえておくことは欠かせません。
しかし、民法は日常生活ではあまり使わない専門用語が多く、最初は取っつきにくい印象を持つ方も少なくありません。
そこで本記事では、行政書士試験で頻出の民法の重要単語を100個厳選し、できるだけシンプルな言葉で解説します。
暗記用リストとしても使える内容になっていますので、復習やスキマ時間の学習にも役立ててください。
民法の基礎と試験での重要性
行政書士試験の民法は、権利関係の理解を問う問題として出題されます。
契約や財産、家族関係に関する法律が幅広く問われるため、条文暗記だけでなく用語の意味理解が得点力アップに直結します。
特に選択肢問題では、用語の正確な定義を知っているかどうかで正答率が変わります。
民法重要単語一覧100個【権利・契約編】
- 権利能力：権利や義務の主体となる資格。自然人は出生から死亡まで持つ。
- 意思表示：一定の法律効果を望む意思を外部に示す行為。
- 心裡留保：本心ではないが外見上は意思表示をすること。
- 虚偽表示：相手方と通じて真意と異なる表示をすること。
- 詐欺：人をだまして意思表示をさせること。
- 強迫：脅して意思表示をさせること。
- 契約自由の原則：契約の締結・内容は当事者の自由に委ねられる原則。
- 要式契約：法律で特定の方式を求められる契約（例：公正証書遺言）。
- 諾成契約：当事者の合意のみで成立する契約。
- 片務契約：一方だけが義務を負う契約（例：贈与）。
- 双務契約：双方が義務を負う契約（例：売買）。
- 解除：契約を遡って消滅させること。
- 解除条件：条件成就により契約が終了するもの。
- 停止条件：条件成就により契約が効力を生じるもの。
- 無効：初めから法律効果が発生しない状態。
- 取消：一旦有効に成立したものを後から効力を失わせること。
- 履行遅滞：債務の履行が期限を過ぎてもされないこと。
- 履行不能：債務の履行が客観的に不可能な状態。
- 契約不適合責任：契約内容に合致しない場合の売主の責任。
- 解除権：契約を解除できる権利。
民法重要単語一覧100個【物権編】
- 物権：物に直接支配を及ぼす権利。
- 所有権：物を自由に使用・収益・処分できる権利。
- 占有権：事実上物を支配する権利。
- 用益物権：他人の物を一定の目的で使用・収益する権利。
- 地上権：他人の土地に工作物や竹木を所有するための権利。
- 永小作権：他人の土地で農作をするための権利。
- 地役権：他人の土地を自己の土地の便益のために使う権利。
- 担保物権：債権の担保として設定される物権。
- 抵当権：不動産を担保として債務不履行時に優先弁済を受けられる権利。
- 質権：動産や権利を担保にする権利。
- 留置権：債権の弁済を受けるまで他人の物を留置できる権利。
- 先取特権：法律上当然に優先弁済を受けられる権利。
- 不動産登記：不動産に関する権利関係を公示する制度。
- 善意取得：他人の物を善意で取得し、所有権を得ること。
- 即時取得：占有を移転された者が善意・無過失の場合に所有権を取得する制度。
- 時効取得：一定期間の占有により所有権を取得すること。
- 消滅時効：一定期間の経過により権利が消滅すること。
- 中断：時効の進行がリセットされること。
- 停止：時効の進行が一時的に止まること。
- 占有改定：占有者が占有を移転しながら引き続き占有を継続すること。
民法重要単語一覧100個【相続・家族編】
- 相続：死亡によって被相続人の財産を承継すること。
- 遺言：死後の財産処分を指定する最終意思表示。
- 遺留分：法定相続人に保障された最低限の相続分。
- 法定相続人：法律で定められた相続を受ける人。
- 代襲相続：相続人が死亡した場合に、その子が代わりに相続すること。
- 相続放棄：相続を拒否すること。
- 限定承認：相続財産の範囲で債務を引き継ぐ制度。
- 配偶者居住権：配偶者が被相続人の家に住み続けられる権利。
- 婚姻：法律上の夫婦関係を成立させる行為。
- 離婚：婚姻を解消すること。
- 親権：未成年の子を監護・教育する権利義務。
- 扶養義務：親族が生活を助け合う義務。
- 認知：父が婚外子を自分の子と認めること。
- 養子縁組：法律上の親子関係を新たに作る制度。
- 特別養子縁組：実親との親子関係を完全に終了させる養子制度。
- 成年後見制度：判断能力が不十分な人を保護する制度。
- 補助人：軽度の判断能力不足者を支援する人。
- 保佐人：中度の判断能力不足者を支援する人。
- 後見人：重度の判断能力不足者を支援する人。
- 遺産分割協議：相続人が遺産の分け方を話し合うこと。
民法重要単語一覧100個【債権総論編】
- 債権：特定人に一定の行為を請求できる権利。
- 債務：債権に対応する義務。
- 不法行為：違法に他人の権利・利益を侵害する行為。
- 損害賠償：損害を金銭で補填すること。
- 過失相殺：損害賠償額を被害者の過失分減額すること。
- 債務不履行：債務を履行しないこと。
- 契約責任：契約違反によって負う責任。
- 不法行為責任：契約外の違法行為で負う責任。
- 連帯債務：複数人が同一の債務を全額負う関係。
- 連帯保証：複数の保証人が全額責任を負う保証形態。
- 保証債務：債務者が履行しない場合に代わりに履行する義務。
- 主たる債務：保証の対象となる本来の債務。
- 付従性：保証債務が主たる債務に従う性質。
- 不可分債権：分割して履行できない債権。
- 不可分債務：分割して履行できない債務。
- 相殺：互いの債権を差し引いて消滅させること。
- 更改：元の債権を消滅させて新しい債権を成立させること。
- 免除：債権者が債務者を免責すること。
- 混同：債権と債務が同一人に帰属し消滅すること。
- 遅延損害金：履行が遅れた場合に発生する損害金。
民法重要単語一覧100個【その他重要語句編】
- 法定代理人：法律で代理権を与えられた者。
- 任意代理人：本人の依頼によって代理権を与えられた者。
- 表見代理：外見上代理権があると信じられる場合に有効となる代理。
- 無権代理：代理権がないのに代理行為を行うこと。
- 追認：無権代理行為を後から有効にすること。
- 取消権：法律で定められた要件により契約を取り消せる権利。
- 信義則：信義に従って誠実に行動すべき原則。
- 権利濫用：権利を不当に使って他人に損害を与えること。
- 不可抗力：人の力では防げない事由。
- 危険負担：契約の目的物が滅失した場合の損失負担。
- 委任契約：事務処理を依頼する契約。
- 請負契約：仕事の完成を目的とする契約。
- 雇用契約：労務を提供し賃金を得る契約。
- 寄託契約：物を預けて保管してもらう契約。
- 組合契約：共同で事業を行う契約。
- 準委任契約：法律行為以外の事務処理を委託する契約。
- 消費貸借契約：金銭などを借り、返す契約。
- 使用貸借契約：無償で物を借り、返す契約。
- 賃貸借契約：物を貸し、賃料をもらう契約。
- 和解契約：争いをやめるための契約。
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